今日何読む?Vol.01「私を変えた一冊」

こんにちは、CC室ヨネです。

在宅勤務をするようになり、通勤時間がなくなって本を読まなくなった方、逆に家にいる時間が増えて本をよく読むようになった方、良くも悪くも『本』との関わり方が変わった方は多いのではないでしょうか?

GxPグループのコミュニケーションラウンジにはいくつか本棚があるのですが、 そこには技術本だけではなく、自己啓発本、デザイン本、小説、マンガなどなど・・様々な本が置かれており、 その混然とした本棚は当グループの多様性を表しているようで、眺めるだけで面白いです。

そこで、本日より様々なテーマで社員自身に本を紹介してもらう不定期連載「今日何読む?」をはじめたいと思います!🙌 本の紹介を通して、多様な個性を持つGxPグループの社員たちの姿を垣間見ることのできる記事になれば嬉しいです。

第1回のテーマは「私を変えた1冊」。
今年はコロナの影響で大きな「変化」を余儀なくされた方も多いと思います。そこで今回は「変化」に焦点をあてて、G+WEBのライターの皆さんに自身に変化をもらたした書籍について紹介してもらいます。


涙が枯れ気味の大人にもおすすめ

「いつでも会える」

菊田まりこ(著)
学研プラス

この本は1999年度ボローニャ児童賞・特別賞を受賞している絵本です。
私が出会ったのは小学校高学年のころ。
それからずっと大好きで、大人になった今もふと読みたくなる本です。はじめは絵の可愛さで手に取ったのですが、読んでみて『死』をテーマにした物語だと知りびっくりした記憶があります。

悲しくて切ないのですが、読んだ後にほっこり前向きになれるお話。
子供ながらに、いつかお別れの日が来るというのを意識するきっかけになりましたし、限りある日々を大事にしなくてはいけないというのを考えさせられました。余談ですが、この本が好きすぎて、中学の読書感想文をこの本で書いたことがあります。

本書の字数よりはるかに多い感想を書くのに苦労しました(読書感想文の本のチョイスは重要だと思いましたw)シンプルな言葉の中に、温かさがつまっていて、とっても素敵な本なので、お子さんがいらっしゃる方は読み聞かせにも良いと思います。
ですが、大人のほうがぐっとくるかも。読むときはハンカチのご準備を。w

宇宙一わかりやすい宇宙の本です!

「宇宙においでよ!」

野口 聡一(著)
林 公代(著)
植田 知成(絵)
講談社

10年以上前の本ですが、宇宙飛行士の野口聡一さんが宇宙はどんなところか、そこでどんな体験をしたか、そして何を考えたかなどを子供向けに書かれた本です。

私は元々宇宙が好きななのもあり、実際に宇宙を体験された方の話は面白く読めました。 終盤に”どうして宇宙に行くのか?”と質問された時の「三次元アリ」の話は特に面白いです。 問題を解決したいとき、いろんな視点で物事を見て考えることで、それまで気づかなかった抜け道を見つけることができて気持ちが楽になる。そして解決策も見えてくると。 私もこの話を知ってから「別の次元」を意識して、一つの問題にも様々な見方や考え方があるだろうと常に考えるようになりました。そして考えることが楽しくなりました。

お子さんとでも、ご家族でも、立派な大人になった方でも、そして宇宙が好きって方にもおススメです、是非。

みんなも未来を変える一員だと気づくはず

「未来を変える目標 SDGsアイデアブック」

Think the Earth (著)
蟹江憲史(慶應義塾大学大学院 教授) (監修)
ロビン西 (イラスト)

社内で紹介されていたので読んでみたのですが、読み終えた後、自分でも「未来を変える」ことができるんだと気づかされた本です。

SDGsと聞くと、壮大すぎて自分とは関係のない遠い国の話だと思っている方も多いのではないでしょうか。この本に書かれている世界の現実は、貧困・差別・暴力・環境汚染・子供の死・・・、胸が痛くなる重い内容ばかりですが、明るくポップな装丁とロビン西さんのユニークなマンガが読み手を暗い気持ちにさせず、とにかく前向きにSDGsを考えてみる「きっかけ」をくれます。

以前からゴミはちゃんと分別するとか、食べ物を残さないとか、家族で出来る範囲のことは私も気を付けていましたが、この本を読んでからはもっと些細なことでも出来ることがあるんじゃないかと考えるようになりました。

そこで、はじめたのが賞味期限の近い食品を率先して買うこと。私はフードロスがすごく嫌なので、食品廃棄も減って、家計も助かって一石二鳥になりました!今では子供たちが割引シールの貼られた食品を見つけると嬉しそうにカゴに入れてくれるので助かってます(笑)私がはじめたことはすごく些細なアクションですが、一人でも多くの方がこの本を読んで、自分も「未来を変える一員」であることに気づいてもらえると良いなと思います。

他人と仕事するって大変ですよね

「『愛のめぐりあい』撮影日誌」

ヴィム ヴェンダース(著)
Wim Wenders(原著)
池田 信雄(翻訳)
武村 知子(翻訳)
キネマ旬報

「MEAD GUNDAM」

シド・ミード(著)
高橋良平(編集)
復刊ドットコム ※現在は在庫切れ

仕事をする中で、他人と意見が対立したりかみ合わなかったりすることはしばしばあると思いますが、それをどうやって乗り越えればよいか、という問題に答えてくれる書籍というのはあまりないように思います。
ご紹介するのは『「愛のめぐりあい」撮影日誌』と、『MEAD GUNDAM』の2冊です。

『「愛のめぐりあい」撮影日誌』は、脳卒中で倒れて失語症を患った映画監督(アントニオーニ)の代わりに、別の映画監督で友人でもある男(ヴェンダース)が作品を撮ることになり、その顛末についてヴェンダースが残した日記です。ヴェンダースはアントニオーニへの友情と敬意から、その映画をあくまでアントニオーニの作品として完成させるべく、自分を捨てて撮ることに決めますが、現実はヴェンダースに過酷です。強烈な個性を持つアントニオーニはヴェンダースの作業に対してことあるごとに不満をぶつけ、横槍を入れます。ヴェンダースは自身に課した「アントニオーニの意図に従って作品を完成させる」という枷とプロ意識との間で板挟みになります。

『MEAD GUNDAM』はアニメのメカニックデザインを決定する過程を記録したドキュメントですが、日本のアニメーション制作チームとアメリカのデザイナー(ミード)との間のコミュニケーションが読みどころです。ミードによるデザイン案は日本のアニメーション文化が蓄積してきた暗黙的な期待や文脈を大きく外れたもので、日本のチームは予想以上の文化的ギャップに当惑させられます。日本サイドはそこから着地点を見出すために、ミードとの間で文章とスケッチを駆使したコミュニケーションを重ねてゆきます。

2冊ともノンフィクションなので多面的に読むことができますが、私はこういった本を通して、他人と仕事をしている限り意見の相違や対立はついてまわるもので、安易な解決方法はないということや、当事者個々の技能の高さや仕事への熱意は、それだけでは対立の解消の役には立たないということを学んだように思います。

自分について思い返すと、キャリアの初期ほど他人と摩擦を生じることが多かったのですが、当時はその原因を相手の能力や熱心さの不足に求める傾向がありました。そうした考え方のベースにあったのは、相手がそのうち自分と一致するだろうという無自覚な期待ではなかったかと思います。「他人は他人であって自分ではない」というのは当たり前のことですが、全てのチームワークというものはしばしば忘れがちなその認識から出発するものでしょう。


ccヨネ
今回は本をきっかけにご自身がどう変化したかについて皆さんにお伺いしました。どの本も興味がそそられる内容で、仕事そっちのけで読書に浸りたい気分になってしまいます(笑)

リモートワークでついつい家に籠りがちな方も多いかもしれませんが、そろそろ季節は読書の秋。たまには本を片手に外に出て、ピクニックがてら読書を楽しむのも良いですね。
では、また次回をお楽しみに!

※今回ご紹介した書籍の画像は、すべて出版元から使用許諾を受けております。
無断転載はご遠慮ください。

19