GxPの技術調査アルバイトって何するの?#002ユンさんの場合

GxPの技術調査アルバイトとは

GxPグループには、学生の皆さんを対象にした「技術調査アルバイト」という取り組みがあります。これは、学生さん自らが決めたテーマに沿って調査・開発を行い月1回レポートで進捗報告していただき、それに対して当社がアルバイト代をお支払いするものです。

当社にとっては、学生さんに興味のあることを探求してもらうためスポンサーとなって支援を行うものですが、今の学生さんが何に興味を持っているのか?どういったアプローチをするのか?などを当社がリアルに知ることのできる貴重な機会にもなっています。

実際にはどんなことをしているの?

前回は、技術調査アルバイトの一人である南さんから、アプリ制作などの取り組みについてお話いただきました。
今回は、また別の取り組みをしているユンさんからお話を伺いました。

大学院生のユンさん

––まずは自己紹介をお願いします

ユンといいます。韓国出身です。親が大学生の時に日本に留学経験があったことで日本に馴染みがあって、子どもの頃から日本のマンガやアニメが好きでした。あとは食べ物も好きです。それで10年前に一人で来日したんです。
もともとロボット工学に憧れがありました。日本では大学一年生からロボット作りに携われると聞いて、その道に進もうと決めました。
現在は、大学院生の博士課程の二年半目です。総合研究院大学院大学 国立情報学研究所っていうんですけど、そこで研究したり授業を受けたりしています。今通っている大学は就職せずに研究室に残る人が多いです。
将来はロボットをやっていこうと思っていましたが、そろそろ別のことにチャレンジしても良いかな、とも考えています。

これまでいろんなロボットを作ってきました。
最初の頃は作るのではなくまず二足歩行ロボットの関わりから始まって、次は自律移動ロボット、小さな自立移動ロボット、インターンでテレプレゼンスロボットの開発に携わりました。テレプレゼンスロボットというのは何かというと、例えば、「分身ロボットカフェ」ってご存知ですか?・・・寝たきりの患者さんがロボットを使って接客するカフェがあるんですが、そこで使われるロボットのことをテレプレゼンスロボットと言います。

中型の、街中を移動するロボットも作ってきました。

––それが当社の技術調査アルバイトで作ってきた、つくばチャレンジのロボットですね。

はい。つくばチャレンジ(=つくば市内の遊歩道等で移動ロボットが自律走行する技術チャレンジ)はもう二回参加しています。
つくばチャレンジには確認走行区間というのがあって、それは区役所を一周したら街中に出られる、という区間なんですけど、まだ一度も街中に出られていない状況なんです。
毎年そこを突破できるように頑張っているんですが、毎回トラブルが起こってしまうんです。練習のときはうまく行くんですけどね。
本来は街中に出てから速さを競うんです。
私たちは4人のチームで参加したのですが、他のチームはロボットを作っている企業だったり大学だったりするので、全然歯が立ちませんでした。

つくばチャレンジ2022で走行したGxPチームのロボット。GxPのロゴマークを付けて参加。

––活動の中で一番大変なことは?

ゼロからの機械設計とシステム設計や構築などですね。
その中で一番大変だったのは、部品選定です。
中型及び大型ロボットになると特にモーターとモーターの制御基板、バッテリが一番大変で。入手性、値段、性能など考えないといけないからです。
日本の国産のモーターは値段がすごい高価なので個人で扱うには少し負担が大きいので、
中国の通販サイトを通してセグウェイや電動キックボードのモーターなどを購入しています。モーターの制御基板の場合でも、セット販売もありますが、値段が高いしセットでついてくるモーター専用だったりするので使えません。汎用性、値段、そしてスペックなどから探してODriveという制御基板を使うことにしました。
バッテリーは、バッテリーの種類によって扱いが大変だったり(火事になる場合も)、重かったり、入手性が悪かったりします。今は電動ドライバーのバッテリーやPC用の24Vのモバイルバッテリーなどを使用しています。

そういうわけでロボット開発には本当にお金がかかって大変なので、GxPに支援してもらってありがたいです。
月に一度レポートを送って、GxPのエンジニアの方からアドバイスもらえるのも助かります。

––面白い点はどんなことでしょう?

それは、実は「失敗すること」です。
この2年間(3年目に突入)、本番直前までに失敗して直しての繰り返しをやって、試合直前までには試行錯誤して、ベストアンサーを作って出しています。その試行錯誤そのものが面白いんです。
自由に失敗できる、というのは本当に貴重なことです。

––今後の目標は?

まずはつくばチャレンジの確認走行区間の突破する、ということです。

あとは今、力を入れているのは論文です。トップカンファレンスっていう学会で自分の論文が採択されるようにするのが、もう一つの目標です。

––つくばチャレンジでの目標が突破できると良いですね!学業も応援しています。今日はありがとうございました。

つくばチャレンジとは?

「つくばチャレンジ」は、2007年から毎年実施している、つくば市内の遊歩道等の市街地で移動ロボットが自律走行する技術チャレンジです。人々が普段使っているあるがままの実環境(リアルワールド)における、自律走行技術の進歩を目的としています。研究者と地域が協力して行う、先端技術への挑戦と公開実験の場です。

つくばチャレンジでは、具体的なロボットの用途を定めた課題設定にはなっていませんが、移動ロボットの利活用のシーンを様々想定し、そのシーンに通底する要素技術が含まれるように課題を設定しています。これらの要素技術に磨きをかけてゆく研鑽の場とも言うことができます。

大学研究室、研究機関、企業、個人、学生サークル、社会人サークルなどから、おおむね毎年50以上のチームが参加し、実環境での自律走行に挑戦しています。実験室の中ではなく、一般の人々がいる日常の市街地で実験が行われます。移動ロボット自身が環境を認識して行動を計画する自律走行技術の発展に、つくばチャレンジは大きな役割を果たしてきたと言えるでしょう。実際、参加チームの技術は年々向上し、この活動は学術的にも大いに評価されています。

つくばチャレンジ2023ホームページより
https://tsukubachallenge.jp/2023/

株式会社GxPは、この活動に賛同し、2023年もブロンズスポンサーとなって運営を支援させていただきました。

技術調査アルバイトは随時募集中です

学生の皆さんが、GxPのエンジニアからアドバイスをもらいながら技術を探求することができる技術調査アルバイト。ご興味がある方はぜひ募集ページをチェックしてみてください。
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