新スクラム認定取得者インタビュー!

こんにちは、GxPの石村です。

先日のRSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo 2020)は今年も大盛況だったようですね。私も来年こそは参加したいなと指をくわえて参加者のブログを眺めている今日このごろです。

今回は、昨年12月に『認定スクラムマスター(以下 CSM)』と『認定スクラムデベロッパー(以下CSD)』に合格したお二人のインタビューをご紹介します!

合格してほっとしたのか、お二人とも良い笑顔を見せてくれましたよ。

CSM、CSDとは?

CSM、CSDとは、アジャイル開発の手法のひとつであるスクラムにおける認定資格のことで、Scrum Alliance®認定企業が主催するスクラム開発研修を受け、資格試験に合格すると取得できます。

合格したお二人の人物紹介

清水七奈さん

GxP ソリューションデリバリー部 リーダー 2018年4月に中途採用で入社。5名ほどのチームに所属。顧客から要望を引き出し、スプリント計画に落としていく役割を担っています。細やかな気遣いでチームをサポートする頼れるリーダーです。
このたびCSMに認定されました!

岡田竜也さん

GxP ソリューションデリバリー部 2018年4月に新卒採用で入社。清水さんと同じチームに開発メンバーとして所属。積極的に意見を述べ、チャレンジする姿勢から、新卒2年目ながらチームの中心メンバーとして活躍しています。
このたびCSDに認定されました!

今回、清水さんにはGabrielle Benefield氏と原田騎郎氏が講師を務める株式会社アトラクタ開催のCSM研修を2日間受講してもらい、岡田さんにはStanly Lau氏が講師を務めるOdd-e Japan(オッドイー・ジャパン)開催のCSD研修を5日間受講してもらいました。

インタビュー

前置きが長くなりましたが、インタビューをお届けします!

認定に挑戦した理由は?

清水
周囲の方がスクラムマスターに近いことをしている私を見て、こんな資格があるよと教えてくれました。

それまで資格の存在自体を知らなかったのですが、自分がやりたいことにマッチしているなと感じ、興味がわきました。

岡田
CSDの存在は石村さんとの1on1の中で知りました。

以前案件でスクラム開発をやってうまくいっていたのですが、次のチームで活かせる自信がなかったので、自分のやってきたことが一般的なスクラムの定義と比べてどれくらい違っているかきちんと知って、今のチームに活かしたいなと思い挑戦することにしました。

研修に対してどんな期待をしていた?

清水
スクラムの定義や教科書的なやり方はガイド等を読めばわかるので、実際にそれを当てはめて実践するときのポイントを教えてもらえたらと思って受講しました。

日本企業だからマッチしないことなどもあると思うので…。

岡田
こうやればできる!っていうのを教えてもらえるのかなという期待をしていました。

どんな準備をしていった?

清水
社内外の認定保有者にどんな雰囲気なのかを聞きました。

その際に薦められた「アジャイルソフトウェア開発宣言」と「スクラムガイド」、自分が持っていた「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 」を読み返したりもしました。

岡田
同じく「アジャイルソフトウェア開発宣言」と「スクラムガイド」を読み返しました。事前に読んでおくように指定されたものもあったのですが、ほぼ「スクラムガイド」と同じでした。

実際に手を動かすと聞いていたので、TDDがどんなものだったかを思い出す勉強もしましたね。

研修の様子を教えてください

清水
全体で40名くらいで、年齢層は20~50代と幅広かったです。30代ぐらいが多かった印象で、女性は8名ほどでした。最初に会場に入った時はシーンとしていましたが、自己紹介を含めたワークショップをやった後は和気あいあいとしていました。

5名1チームに分かれて、基本的には2日間そのスクラムチームの一員としてワークをする感じだったのですが、「こういうシーンであなたはどうすべきか」みたいな課題に対して「スクラムマスターとして取り組んでください」と、講師の方から指示がありました。

座学と実習の割合はだいたい半々ぐらいでしたね。

岡田
全体で20名ぐらいで、年齢層は20~40代でバラバラでした。ほぼ男性で女性は2名ぐらいでしたね。5~6名で参加している会社も結構あって、会社によって若手・現場のリーダー・管理職と参加者層が違っていました。

チームごとに開発をしていたので、チームに分かれた後は結構話もしており、シーンとしている感じはなかったです。座学3・実習7と聞いていましたが、新しいことが多かったためか体感としては座学4・実習6ぐらいに感じました。

 
実習はLeSSという形式(大規模向けの、複数チームで開発に取り組むスクラムのフレームワーク)で取り組みました。講師やサポートの方がプロダクトオーナー・スクラムマスター・顧客の役割を担い、参加者は6名1チームで開発を行いました。

チームごとに開発する機能を分けていて、スクラムイベントには各チームから2名ずつ出席し、チームに持ち帰る感じでした。プロダクトオーナーや顧客とやりとりできるので、結構リアルにやれたと思います。

 
開発はJava+Springで馴染み深かったのですが、Cucumberを使った受け入れ駆動開発みたいな感じで取り組んだので、ユーザーがどういうことができていればOKかということを書き出すのが最初は慣れなかったですね。ついつい例外のことや、技術要素の強いことまで考えてしまい、そっちに寄らないように考えるのが難しかったです。

 
また、ブランチを使わず、短時間でテストから書いて、コミットして、ビルドを通す、というサイクルを回しました。「CI精神を学んでね」とのことだったのですが、最初は慣れなかったです。。

チーム間で依存関係のあるところは、出すタイミングが遅いと他のチームが使いたいのに上がってなくて、ということもありました。

実際に受けてみてのギャップはあった?

清水
大事なことだからだと思うんですけど、研修では教科書的なところを丁寧にじっくり時間を割いて教えてくださいました。実践的なところは現場によりけりという答えが多かったです。

社内外の認定保有者に相談しながら自分なりに探っていくしかないのかなあと思いました。

岡田
1つの正解を教えてもらうのではなく、こういうやり方もあるよ、という一例を教えてもらう感じでした。

講師の方もどうやって現場に取り入れられるかを学んでもらいたいと期待しているようでした。

スクラムはそもそも最適化していくものだから、答えがあるものではないということを学びました。いろんな人から経験を聞いて、その時に合ったったものをやっていくしかないのかなと思いました。

スクラム開発未経験だと厳しい?

清水
実際に未経験で参加したという方はいらっしゃいました。
予習していたのもあると思いますが、そんなに辛くないと思います。
岡田
こちらも未経験の人はいましたが、事前にスクラムの各イベントの定義や意図を理解して参加していたようでした。それが頭にある状態だったので、そんなに困っている印象はなかったですね。

ただ、現場経験の豊富な講師の方だったので、実務の経験で困ったことを質問できると得られるものの質が高くなると感じました。

英語力はなくても大丈夫だった?

清水
困ることはありませんでした。通訳をしてくれるし、半分ぐらいは原田騎郎氏が話してくださいました。

ただ、英語が話せる人は質疑などで直接やりとりができて、話せたらすごくいいんだろうなあと思いましたね。

また、Web試験の日本語訳が残念で、想像を膨らませても全くわからない問題もありました。原文の英語も併記されないので、その問題は捨てました…。
近々バージョンアップがあり、そこで改善されるそうです。

岡田
こちらも困りはしませんでした。通訳はOdd-eの方で自分で教えられるぐらいにわかっている人でした。

通訳の方が一番はっちゃけて場を盛り上げていましたよ(笑)

ただ、懇親会は英語が話せる人同士で盛り上がっていて、僕も話せた方がいいなと思いました。

今後どうしていきたい?

清水
実案件でスクラム開発をしているので、今回学んだアンチパターンや気にした方がいいことを活かしていきたいです。

具体的には、各スクラムイベントのタイムボックスのマックスを意識することや、チケットの完了条件を明記するようにしたいです。今はなんとなくでやってしまっているので…。

また、スクラムマスターとして、スクラムを組織に広めるという役割も担っているので、まずは自分の部署から少しずつ知識を伝えていきたいと思います。

岡田
リファクタリングがバリバリできる人が講師側にいて、実際に自分たちのコードをリファクタリングしてもらう機会がありました。その際にリファクタリングの基準になるようなところを学べたので、早速活かしたいと思います。

今はテストコードも緊急性が高いと書けておらず、早速デグレが発生していました。テストコードがあると安心してプッシュできるということも体感したので、まんべんなくテストが書けると怖くないと感じました。

清水
テストコードを充実させるためにも、機能追加などでスプリントをまるっと使い切らずに、そういった改善活動に時間を使えるようにするというのが私のミッションかな。
岡田
講師の方に「スクラムマスターはベビーシッターじゃねえから」ということを言われたりもしました。

なるべく自分が率先してやっていけるようにしたいです。

清水
私も研修で「スクラムマスターは手を出しすぎてはいけない」「見守らなければならない」ということを言われました。

私もサーバントの意味を取り違えてしまっている部分が結構あるので、みなさんのためになることはあえて手を離すということをやっていきたいです。

最後に、受けてみてよかったことは?

清水
知識が得られたこと、自分の自信になったことはもちろんですが、そもそも勉強会の場に行ったことがあまりなかったんです。

受講前は40名の知らない人に会うなんて、とドキドキしていましたが、今回参加してみて他の場にも行ってみようと思えました。今後も継続して学んでいきたいですね。

 
また、参加者の中にはプロダクトオーナーと開発作業を兼任していて、自分がいないとチームが回らないという方も多くいらっしゃいました。
 
休憩中にもチームと連絡を取っている方を見て、私はこうやって2日間何もしなくても岡田さん含めチームメンバーがちゃんと仕事をしてくれてて、すごくありがたいなと感じました。それをほかの参加者の方に伝えたら、拍手までもらえたんですよ。

岡田
自分も外部の勉強会に行ったのは初めてでした。

社内だとある程度限定されてしまうこともありますが、外に行くと色んな人の考え方が聞けるし、幅が広がりました。色々勉強してみたいと思うようになりました。今後は新しいやり方や考え方を活かしていきたいです。

今後の取り組み

GxPでは多くのチームでアジャイルに開発を行っており、スクラムのフレームワークも取り入れています。
ただ、認定資格を取得している人はGraatに在籍している人がほとんどで、GxPにはいませんでした。

そこで、私がアシスタントマネージャーを務めるソリューションデリバリー部で、積極的に認定取得者を増やそうということで、早速二人に受講してきてもらいました。

今回の取り組みでは、以下のようなことを狙っています。
・認定されることで自信をつけ、チームが自律して改善していく力を促進
・今よりもっと楽しい仕事ができるチームに
・部内、そして社内全体に学びと良いエネルギーを波及
・社外にもGxPの魅力が伝わりやすくなる

今回二人をインタビューしてみて、研修で良い刺激を受けたことが伝わってきました。ますますお二人が活躍してくれそうで今後が楽しみです!

私も今年認定スクラムマスターを受講したいと思っているので、次のRSGTにプロポーザルを出すことを目標に活動していきたいなと考えています。
そのときは是非投票をお願いします!

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ABOUTこの記事をかいた人

趣味はチロルチョコをばらまくことです。 GxPのSD部に所属し、プロジェクトやメンバー育成活動の推進をしています。役割名はプロジェクトマネージャー、プロダクトオーナー、(組織の)マネージャー、主催者、たまたまそこにいる人、とその場に応じていろいろです。だいたい誰かとコミュニケーション取ったり状況整理して道筋を考えるのが仕事です。 最近は1on1やデータサイエンスに関心があります。