『AI/データ分析勉強会』『AI/機械学習勉強会』にインタビュー!

こんにちは、G+WEB編集部の阿部です。

「データ時代」と言われてから早10年以上が経ち、企業が管理する業務データは増加の一途をたどっています。多くの企業が蓄積されたデータを活用して意思決定を行っているのではないでしょうか。また、新卒採用面接でお会いする学生さんとお話していると、AIやデータ分析に興味・関心がある方が増えたように感じています。

今回は『AI/データ分析勉強会』に参加しているメンバーに勉強会の感想を、『AI/機械学習勉強会』の発起人である森坂さん(株式会社GxP 執行役員)に活動内容をインタビューしました。

■AI/データ分析勉強会

勉強会では西新宿中央公園でのイベントのデータ分析やpandas講座などを実施しています
今回は社内データを使って分析したチームにインタビューしてみました。会議室利用データ、自動販売機のデータ分析をしてみていかがでしたか?

衣笠: 分析の目的は「各会議室がどのように使われているのか」でした。実際データを分析していく中で、会議室の定員数に対して実際は何人で使用しているかなど、どう使われているのかは「現在取れるデータだけでは判断できないことが分かった」という事が面白かったです。

石橋: 今回、会議室や自販機のデータからいくつかの課題は上がったのですが、一旦その課題は置いておいて、まずはデータを基本的なグラフに可視化してみました。
実際に単純な可視化でも、想定より参加人数が少ないなとかWEB会議での予約が多いなどの傾向が分かりました。 その後、可視化した結果をチームで考察する過程が面白いと感じました。視点の違いや、1人では気づかなかった点があるんですよね。多角的に意見を出し合うことが大事だと感じました。

伊勢: 勉強会メンバーから「会議室の混雑度があるといいかも」という意見があったので、Google Mapの混雑度グラフのようなものを想定して作成しましたが、足りない情報があってヒートマップを作成しました。今あるデータでどう見せるかを考えることが楽しかったです。 私が作ったものは基本、勉強会メンバーにも触ってもらえるように、いじれるように工夫もしました。

左から伊勢さん、衣笠さん、石橋さん

今後、どんなデータを分析してみたいですか?

衣笠: 2つあります。1つ目はみんなが「大事にしている観点」について調査をしてみたいです。GxPグループで働く人達はどういくことを大事にして働いているのか。「この部やチームは○○を大事にしている」「20代はこんな傾向がある」とか分かると面白いなって。アンケートを取って実施してみたいです。

もう1つは音声バイオマーカーインフラストラクチャを使った健康管理に関するデータを分析したいです。分析結果から休みを取るタイミングとか頻度が分かるとよりよいパフォーマンスで働けそうですよね。そのデータをもとに機械学習するためのデータが作れたら良いなと思っています。

伊勢: Confluence(チーム開発、ナレッジ共有ツール)の閲覧数を分析して、よく閲覧されているページを新しいメンバーに紹介できたらいいなと思っています。「○○な人にはこのページがおすすめ」とかリコメンド機能があればより社内ナレッジが活用できそうですよね。

もう1つは自分が引っ越したいなという気持ちがあるので「街の住みやすさ」を一般情報から分析してみたいです。犯罪率や周辺地域の勾配、コンビニ・スーパーなどの情報から分析してみたいです。

石橋: 今はもともと社内にあるデータを可視化して「現在はこういう状況」というのが分かる段階です。この先は「こうあったらいいのでは」という話ができるようになるといいですよね。

まだ触りきれていないデータが社内にはいっぱいありますが、今回の分析で感じたのは「データ分析をするためにどうデータを蓄積するか」を考えないと使いづらい、情報不足という結果になってしまう。作る側として、そういう視点も入れていかないといけないと感じました。

データ分析の面白さを教えてください

伊勢: 意見が出しやすいことです。経験則で話すのではなく、データを分析した結果で「こうですね」って話すので皆が納得しやすいですね。エンジニアとしてはまだまだ未熟ですが、数字で話す時は年次関係なく、よりフラットな関係で取り組める点はいいところだと思います。

衣笠: 最初に石橋さんが話していましたが、同じデータでもメンバーによってグラフの表現の仕方が変わります。それを皆で集まり、色んな角度で見て、自分では気づかなかった発想を聞けるのがとても面白いと思いました。話さないと分からないものだなと感じました。

石橋: 今回分析してみて、改めて面白いと感じました。社内にどんなデータがあるかは知っていたけれど、可視化してみて分からなかった部分が知れる面白さがありました。全体傾向を見ることはないので。

今回のデータ分析はまず第一歩という段階です。これからデータの内容も拡がっていくので興味がある方は是非参加してみてください。勉強会内でデータの紹介があるので、気になったものがあったらやってみる、でいいと思います。まずは触ってみることをやっていきましょう。

■AI/機械学習勉強会

前回のインタビューで知見を深めるには色々な方法がある中で、勉強会を選択したと話されていましたが、どのようにスタートさせたのですか?

森坂: はじめに本活動の計画を以下のように定めました。ゴールはAIサービス・ソフトウェアを開発できるようになることです。

STEP1「自社勉強会の実施」ではメンバーにAI/機械学習に興味を持ってもらうことを優先し、以下の取り組みを行いました。

  • AI/機械学習でやれることの全体像をメンバーに見せる、仕事としてやる以上はやる気があるメンバーを募る
    GCP(Google Cloud Platform)の機械学習ハンズオン(無償)の各自受講を参加条件とする
  • AI/機械学習のハードルを低くする
    メンバーは皆ITエンジニアであるため、勉強会で使用する書籍は大学の講義のような理論中心ではなく、コーディング中心のものを選ぶ。ただし、理論もある程度理解しておかないと応用が効かなくなるので、厳密性を多少犠牲にしてでも理解しやすい理論解説があるものを選ぶ
  • 手を動かす準備をする
    GCPの機械学習系サービスのオンライントレーニング(有償)を受講する

この活動の中で嬉しい誤算がありました。勉強会という性質上今まで若手が自主的に参加するケースが多かったのですが、『AI Profession』はエキスパートエンジニアが多く集まったため、中堅以上の自己啓発の場にもなっています。

現在はどの段階でしょうか?また、どんな開発を行っているのか教えてください。

現在は上記活動計画のSTEP2「自社サービス・ソフトウェアへのAI機能/機械学習モデルの組み込み」を行っています。実際に手を動かして試行錯誤すること、これがITスキル習得には大切だと考えているためです。2つのチームに分かれてそれぞれ自分たちが考えたテーマで実際の開発を行っています。

1つはスケジューラーの会議参加者予測機能。こちらは既に完成し、リリースしました!もう1つは「G’s Awards(行動指針に沿って行動出来ていた際にメンバーから贈られるポイント制度)」の行動指針予測機能。賞賛すべき行動がどの行動指針に該当するのか予測してお知らせする機能ですが、こちらも今期中(2022年8月末迄)のリリースを予定しています。

どのような機械学習モデル・サービスを使ってAI機能を実現しているのか、予測精度を上げるためにどのような工夫をしているのか、AI機能を利用する上で分かりやすいUIやシステム運用(MLOps)はどのようなものかまで、その全てが『AI Profession』の実績です。「これどうやってるの?」と社内の多くのエンジニアから問い合わせをいただくので、部会やTechtalk(社内の定期技術勉強会)でその内容を発表できるようにメンバーと準備を進めています。

研修等で学校の先生のように説明が上手いと定評のある森坂さん

今後の方向性について教えてください!

少なくとも来期はSTEP2「自社サービス・ソフトウェアへのAI機能/機械学習モデルの組み込み」を延長しようと考えています。理由はメンバーがやってみたいアイディアがまだまだたくさんあることと、STEP2の延長線上にSTEP3「AIサービス・ソフトウェア開発」があると考えているためです。自分たちが使って便利だと思える機能を開発している最中に、お客様が使っても便利だろうと思える機能が見つかるのではないかと思っています。

また、『AI Profession』の活動とは別になりますが、AIシステムエンジニア領域の案件依頼が増えてたと実感しています。クラウドサービスの普及によりAI利用の敷居が下がり、AIを活用する企業が増えたこともあると思いますが、メンバーがAI/機械学習でやれること・やれないことを把握し、お客様へ説明できるようになったことが大きな理由です。

グループ関連会社である株式会社ミエルカがAI/データ分析領域へ参入し、データサイエンティスト領域についてもグループ全体で対応できるようになり、GxPは今後さらにAI案件実績が増えていくだろうと考えています。

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石橋さん、衣笠さん、伊勢さんは『AI Profession』にも参加しており、知識を深めるために『AI/データ分析勉強会』にも参加しているそうです。グループ全体でAI、データ分析等の知識をつけ、お客様のご依頼にも社内の業務改善にも役立てていきたいですね。

(文:G+WEB編集部 阿部)




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