まずは体験しないとね サステナブルとエシカル

今回は、『サステナブルな社会 』を体験しにスウェーデンまで視察に行かれた鎌田さんのレポートをご紹介します。

早速ですが、最初のこの写真。
視察の案内をしてくださったペオ・エクベリ様(写真男性)の横にあるもの、何か分かりますか?

これはスウェーデンの「ダストボックス」だそうです。 このダストボックスに入れたゴミは地下からゴミ集積場まで運ばれていきます。ゴミ収集車はCO2を排出するため、そもそもゴミ収集車を走らせない仕組みになっているそうです。

このように、スウェーデンでは『サステナブルな社会』を目指して、国全体で様々な取り組みが行われています。

ゴミの廃棄システム

鎌田さんは日ごろからエシカルの活動に関心が高く、鎌田さんが代表を務めるジーアールソリューションズ株式会社(以下GRS)ではエシカル協会(https://ethicaljapan.org/)に法人会員として参画されています。

社内の勉強会ではエシカル協会の代表理事 末吉様に講演していただき、GxPグループのみんながエシカルの活動を知る機会を提供してくださっています。

スウェーデンってどんな国?

皆さんはスウェーデンと聞くとどんなイメージがありますか?
私はIKEAやSpotifyなどベンチャーマインドあふれる有名企業の創業の地ではあるものの、自然豊かな国でのどかーな田舎町をイメージしていました。

実際の様子を鎌田さんに伺うと、私の思い描いていたイメージとは違っていました。豊かな自然を守るために AI、IoT化が進み、国全体で自然への配慮が行われている国だそうです。その取り組みは日本の何歩も先を行っており、見習うべき点ばかりでした。

ジャガイモやバナナの皮で飛行機が飛ぶ!?

スウェーデン では循環型バスやタクシー、そして飛行機までもが「バイオガス」で走行しているそうです。「バイオガス」はジャガイモやバナナの皮などの生ごみから作られており、CO2の排出がありません。約5kgの生ごみから1リットルの燃料が作られるそうです。

バイオガスで飛行機が飛ぶの?って思いませんか?鎌田さんもバイオガスの飛行機に乗るときは、さすがに本当に飛ぶのか怖かったそうです(笑)

ガソリンを使わないバイオガス飛行機

守られた島

ジブリ映画『魔女の宅急便』のモデルと言われているスウェーデンの最大の島「ゴットランド島」は島全体の自然が守られています。

取組みの一例としては…
・ダストボックスのAI、IoT化(自動圧縮、ソーラー起動等)
・島全体のガラスを収集し、すべてリサイクル商品化
・リサイクル・リユースファッション
・風力発電

その中でも私がビックリしたのはペットボトルや缶のリサイクル方法でした。日本では分別して捨てて、水洗浄されてリサイクルされますよね?

ゴットランド島のスーパー(生協)では機械に入れると自動分別され、リサイクルした分は割引券か募金として還元されるそうです。

しかも、リサイクルを行う際は水洗浄は行わないとのこと。なぜなら水洗浄する程、環境が悪くなるからだそうです。リサイクルシステムを説明してくださったスウェーデンの方からは「なぜ日本はペットボトルを水洗浄してリサイクルするのか」と不思議がられたそうです。

投入された資源は自動分別されます

サステナブルな社会のためには?エシカルな活動には?

最後に鎌田さんに今回の視察での所感をいただきました。

「サステナブルな社会」は個人がどうこうできるものではなく、国のビジョン(国政・市政)戦略が必須です。「『ビジョン』は日本人が苦手とする部分ですね」とスウェーデンの方に言われてしまいました(笑)。何を目指し集うのか、なぜやるのか等、全てにおいてビジョンとストーリーが大切だと感じています。

しかし、気候変動や貧困など、国の指示待ちなどと悠長なことを言っていられないことも現実です。ゴミを減らすことや省エネ、フードロスを出さないなど、日常生活での行動を少しでも変えることで、社会に変化を及ぼそうとするエシカルなアクションを私たち一人ひとりが意識的にし続けることは大切だと思います。自分で考え、できることから進めればいい。志を持つ仲間と少しづつ行動すれば、何かが見えてくるはずです。
 
GRSでは、マネタイズより人の役に立つサービスを何か考えていきたい。それを一緒に考える仲間を社内外問わず募っていきたいと思います!


興味がある方は、是非鎌田さんにお話し伺ってみてください。
私も身近なところから自分にできることをはじめてみようと思います。

Photo by 鎌田

Peo Ekberg (ペオ・エクベリ )様
株式会社ワンプラネット・カフェ 取締役、環境マネージャー
スウェーデン出身。環境NGO団体リーダー、ジャーナリストを経て、1997年One World(ワンワールド) 国際環境ビジネスネットワークを設立。2012年に株式会社ワンプラネット・カフェと統合し、現職。日本全国で400回以上 環境問題の解決やサステナビリティについての講演、100回以上 コラム執筆、テレビやラジオの環境番組に出演・キャスター (例: NHKワールドのキャスター)。

https://greenz.jp/2019/12/18/plasticfree_peoekberg/

(文:経企 阿部)


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